長男の気持ち
父は10年前に社長を退いて、私が父の会社を継ぎました。
両親とも同居してきました。妻も頑固な父によく仕えてくれたと思っています。
これからも長男として、家を継ぐ者として、母の世話に墓の管理、法事等も執り行っていかねばなりません。だから、私が遺産を全て相続して家を守っていくべきだと思うんです。
もちろんタダではなくて、ハンコ代として100万円ずつ渡してやろうと思っていたんですよ。
なのに妹たちは、法定相続分どおりの4000万円ずつよこせと言って来たんです。がめつ過ぎるでしょう?
だから思わず「はぁ??親父の遺産は、自宅が6000万と1億円ほどの預貯金だけやのに、どこから4000万なんて金額が出てくるねん!」と怒鳴ってしまいました。
すると、誰かから入れ知恵されたのでしょう。
妹たちは
お兄ちゃん、会社の株を忘れてへん?
大昔に買った会社の敷地、かなり値上がりしてるやん?
ほな当然、自社株の評価も上がってるやん。
業績もいいみたいやしな~
俺は長男や!言うて、まだ自分の権利ばっかり主張するなら、お兄ちゃんがお父さんから生前にもらってた自社株の権利やらゴルフ会員権のことも持ち出すしかないんやで?
私は心臓がバクバクしてきて、「お、お前らも結婚するときに十分な支度をしてもらってたやんか」と返すのが精いっぱいでした…
なんてこった…
妹たちはこんな風に思っていたなんて、夢にも思いませんでした。
でも、母は違う。
母は長男の俺を立ててくれるはず!と信じていました。
念のため、母の考えを確認することにしました。
すると「会社も順調なようだし、あの子たちにもちゃんと分けてあげて。私も法定相続分の2分の1は相続するからね」と、妹たちと同じことを言い出しました。
ショックです。
めちゃくちゃショックです。
この先どうなるかと思うと、夜も眠れません。