自分の時はやってしまいがち

相続

Aさん「ちょっと聞いてください!先日夫の父が亡くなったんですが、義父の遺産相続で夫の姉が総取りで夫がゼロなんです!これっておかしいですよね!?」

 

しょしこ(あー、おかしくないやつやな、コレ…)「えっと…ご主人のごきょうだいはお姉さんだけですか?」

 

Aさん「そうです!夫にも相続する権利がありますよね!?」

 

しょ「ご主人は何と仰ってるんですか?」

 

Aさん「これでいいと言うんですよ!このまま泣き寝入りなんて可哀想です!」

 

しょ「ご主人がいいと仰ってるなら、それでいいんじゃないですか。」

 

Aさん「義姉夫婦には子供はいませんが、私たち夫婦には子供がいます。孫にも相続の権利があるのではないでしょうか?」

 

しょ(孫に権利って…斬新な解釈やな)「ご主人が亡くなってるか、お孫さんに財産をあげるという遺言がない限り、孫に相続権はありませんね。」

 

Aさん「でも普通は、子供の将来のことも考えて取り分を主張しますよね?!」

 

しょ「しないですね。自分の親の遺産を相続するか放棄するかを決めるのに、妻や子供は1ミリも関係ありませんから。」

 

Aさん「でも、義姉に子供が出来なかったら、うちの子が家督を継ぐことになるのに…」

 

しょ「家督って戦前ですか?お義姉さん、お義父さんの介護をされてたんじゃないんですか?」

 

Aさん「介護って言っても、お金があるみたいだから、ヘルパーさんに色々やってもらってただけですよ?義姉はほぼ何もしてないと思いますっ!」

 

しょ(ほら、自分に都合のよくないことは隠してるやん)「相続って、相続人じゃない部外者が口を出す権利はないんですよ。きょうだい間で話が纏まってるなら、口を挟まない方がAさんの身のためですよ…」

 

Aさん「えっ、どういうことですか?」

 

しょ「数十年もきょうだいをやってきてるお二人の間に、ぽっと出のAさんが『お義姉さんだけズルい!』と口を挟んできました。」

 

Aさん「ぽっと出だなんて…結婚して23年ですよ!」

 

しょ「ご主人はその倍以上の期間、お姉さんときょうだいでしょ?ご主人は何歳ですか?」

 

Aさん「…!?」

 

しょ「ご主人は今、お父さんを亡くして悲しみの中にいらっしゃいますよね。そんな状況なのに、妻は『遺産!取り分!もらえるものはもらうべき!』と耳元で騒ぐ。ご主人はどんな気持ちでしょうね?自分のことに置き換えて考えてみてください。Aさんのお父さんが亡くなってスグの悲しいときに、ご主人が『遺産!取り分!もらえるものはもらえ!』と言ってきたらどう感じますか?」

 

Aさん「……」

 

しょ「あなたが騒げば騒ぐほど、ご主人の立場は悪くなり、あなたはクソ嫁認定されます。というか、もうされてるかもね。」

 

Aさん「ク、クソ嫁ですか…」

 

しょ「はい。カネに汚いクソ嫁です。クソ嫁を制御できなかったら、ご主人もクソ息子・クソ弟認定されるでしょうね。私が義姉や義母ならそう認定します。」

 

Aさん「…」

 

しょ「そして最悪、離婚が視野に入ってくるかもです。妻はこんなにカネに汚かったのか。俺と姉の間に一生埋まらない溝を作り、子供をダシにしてまで義父のカネを欲しがる人間だったのかと。」

 

Aさん「そんな…離婚だなんて!」

 

しょ「離婚といえば財産分与ですが、財産分与の際は個々が相続で受け取ったお金は財産分与の対象外ですからね。相続で得た財産は、その人個人の財産であって、夫婦の共有財産ではありません。」

 

Aさん「お金が欲しかったんじゃないんです!」

 

しょ「あら、そうですか?お金が欲しくて言ってるとしか思えないですよ?百歩譲ってあなたはそのつもりがなかったとしても、ご主人を含めた義実家の方々からすれば、『目先のカネのために、権利もないのにしゃしゃり出てきて引っ掻き回して、きょうだい仲を引き裂いてしまったバカ女』というレッテルを貼りますよ。」

 

Aさん「私、そう思われても仕方がないことをしていたんですね…」

 

しょ「はい、そうです。でも、間違っていたことを分かっていただけましたよね。なら大丈夫です。ご主人とお義姉さんに謝ってくださいね。」

 

Aさん「分かりました…」

 

しょ「今日はまあまあキツいことを言いましたが、ご理解いただけたようなので、ここで止めておきますね。」

 

Aさん「はい、今でも十分堪えてますけど…」

 

しょ「棚ぼたなんかは期待せずに、夫婦で力を合わせて頑張ってる背中をお子さんに見せていきましょうね!」

 

Aさん「はい…」