法を知ることが勝利の条件である~第3章~

お金・法律

い・や・が・ら・せ

「ピンポーン♪」

H美「はい、どちら様ですか?」

執行官「執行官です。開けてください」

H美「は?なんですか?」

執行官「裁判所から来ました。こちらが債務名義です」

インターホンのカメラ越しに書類を提示しています。

 

H美「さ、裁判所?!」

執行官「開けていただけないなら、こちらで開けますね。鍵屋さん、よろしくお願いします」

鍵屋さんが鍵を開けようとしていると…

H美「え、ちょ、開けますから!」

 

鍵を開けると執行官が玄関に入って来ました。

H美「いきなり何なんですか?連絡もなく、失礼じゃないですか!」

執行官「事前に連絡する必要はありませんので」

 

リビングにいたH美さんの夫が出てきました。

H美の夫「どなた?」

H美「あ、いや、あの…」

執行官「裁判所から来ました。今からH美さんの動産執行を行います」

H美の夫「え?どうさん…?一体どういうことですか?」

執行官「奥様がネット上で、お友達であるB子さんに誹謗中傷を繰り返して提訴されました。裁判所で和解が成立したんですが、慰謝料の支払いが遅れているので、差し押さえに来ました」

H美の夫「え?!妻が誹謗中傷で提訴?!」

H美「ち、ちがうの、待って!あとで話すから!」

執行官は部屋に入り、売却できそうな財産を探しましたが、ダイヤの指輪くらいしかありませんでした。

執行官「この売却代金をB子さんへお渡しします。これだけでは到底94万円に足りませんので、また差し押さえが申し立てられると思います」

H美「そ、そんな…」

 

H美さんの夫はショックを隠せない様子でボーゼンとしていました。

「H美がB子さんを誹謗中傷して、訴えられていたなんて…」

 

朝から玄関先で裁判所がどうの、執行がどうのとやっていたので、ご近所さんたちも様子を見に来てザワついていました。

 

誰にもバレないように処理しようとしたH美さんでしたが、なめたマネをして慰謝料の支払いを止めたせいで、夫や子供、近所の人や友人にまで、自分の悪行が知れ渡ってしまうという、最悪の結果を迎えてしまいました。

 

素人の判断で裁判手続きを甘く見ていたら、半端ないダメージを喰らっても仕方がありません。

 

 

今回は動産執行という、少しマニアックなネタでしたが、どんなことでも知っていて損はないので、変なトラブルに巻き込まれても余裕でかわせるように、日頃から耳をダンボにしておきましょう!

 

・自宅の権利証をなくしてしまった。再発行できますか?

 

・「署名」と「記名」、どう違うの?

 

・終活って、いつ始めるのがベスト?

 

このような素朴な疑問も「しょしこ」におまかせ。

「こんなことが知りたい!」ということや、お悩み相談、ご意見などを送ってもらえたら、このメルマガで取り上げて、回答させていただきます(^^)

すずらん司法書士事務所|しほうしょしこ
昨日の友は今日の敵|コレ、対岸の火事ではありません。

 

そして、今月の勉強会は25日です。

「食欲の秋」ということで、勉強会に来てくれた人には ✕✕✕✕ をプレゼントします(^^)

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ということで…

今後発生しそうなことを先に知っておくと、怖いもんなしです。

どんなことでも「オオゴトになる前」が重要で、一旦オオゴトになってしまえば、長期間決着しないし、しかもめっちゃ疲れます。

 

今は、例の事件が真っただ中なので…

贈与、相続、お墓、親族関係、治療費で、もめにもめている人が、日本国中で激増しております。

なにかあってからでは遅いので、早いうちから、しっかり準備しておきましょう。

自分は大丈夫という、ヘタな思い込みは、人生を台無しにしてしまいますよ。